ガーデニングは日向がないとできないと思っている方は多いのではないでしょうか。
実は日陰でも育つ植物は多くあります。
ガーデニングを楽しむ方の中には、わざと日陰で育つ植物を集めて「シェードガーデン(日陰のお庭)」をしている方は多くいらっしゃいます。
今回は、日陰でも育つ植物の種類や配置方法をご紹介します。
日陰には3つタイプがある!
日陰と一口に言っても、3つタイプがあります。
場所によって育つ植物も異なるるため、まずは庭やベランダがどの日陰に当たるのか、確認しましょう。
<タイプ1>明るい日陰
明るい日陰とは、直射日光は当たらないものの、周辺に入る日差しにより明るさを保っている日陰を指します。
例えば、北側の庭で道路に面している場合や、木漏れ日が差し込んでくる庭の場合は、明るい日陰になります。
<タイプ2>半日陰
半日陰とは、一日のうち半分だけ日向になる場所を指します。
また、50%の遮光がある場合も半日陰になります。
例えば、午前中だけ日が当たるが午後は日陰になってしまう庭や、木漏れ日で半分程度光が差し込む庭は半日陰になります。
<タイプ3>暗い日陰
暗い日陰とは、一日中光が差し込まない日陰を指します。
例えば、建物に囲まれている庭や、高い塀で日光を遮られている庭は、暗い日陰になります。
明るい日陰に配置するのがおすすめの植物
明るい日陰は、直射日光は入らないものの間接的に日光が入ります。
そのため、明るい場所を好むものの、直射日光が苦手な性質を持つ植物がよく育ちます。
明るい日陰に植えるのがおすすめの植物は以下の5種類です。
カレックス
カレックスとは、カヤツリグサ科の植物です。
細い葉が風でサラサラ動く様子が涼しさを演出します。
一年中グリーンを保つため、常緑グラスとして活躍します。
緑葉の他にも、光沢のある銅葉や黄緑色の葉、斑入りなどバリエーションが豊かなのも魅力です。
シャガ
シャガは、日陰でも育つ常緑の多年草です。
アヤメに似た見た目をしていますが、花径5cmほどと小ぶりな点や、開花時期が4月〜5月と早い点に違いがあります。
虫や病気の影響を受けにくく、ぬかるんだ斜面などでも育つのが特徴です。
見た目が華やかな植物を日陰で楽しみたい方におすすめです。
アセビ
アセビはツツジ科の庭木です。
2月下旬~4月上旬に白い小さな花が穂になって咲きます。
新芽は赤色をしており、濃い緑の葉に映えます。
カラタネオガタマ
カラタネオガタマはモクレン科の庭木です。
薄い黄色で直径2~3㎝と小ぶりな可愛らしい印象を与える花を咲かせます。
花からはバナナのような良い香りがするのが特徴です。
花は1~2日で散ってしまいますが、次から次へ開花するため、10日前後は香りを楽しむことができます。
センリョウ
センリョウはセンリョウ科の常緑低木です。
冬には赤い実をつけるのが特徴です。
実をつける時期は11月中旬~1月で、正月の縁起物としても知られています。
木の高さは50〜80㎝ほどと低めなので、和風庭園の下草として多く用いられてきました。
地下茎から毎年新しい茎が出て株が広がるため、切り花で楽しむこともできます。
半日陰に配置するのがおすすめの植物
半日陰であれば、日向を好む植物であっても条件が合えば育つことが多くあります。
むしろ、直射日光が苦手な植物たちは、半日陰の方が良い場合も少なくありません。
半日陰に適した植物は以下の5種類です。
アジサイ
アジサイは梅雨時に咲く代表的な落葉低木です。
大きくなるため、植える場所には気を付けましょう。
花色は土壌の酸性度に影響され、青色の花は酸性土壌で良く発色するので過リン酸石灰や硫安を施すと綺麗に発色します。
赤色の場合は、消石灰や苦土石灰を施し、土壌を中性からアルカリ性にするとよく発色します。
セダム
セダムはベンケイソウ科の多肉植物です。
日本原産のものは日陰でも育つ種類があり、日陰のグランドカバーに向いています。
落葉種のすべてと常緑種の一部は耐寒性が強く、霜に当たっても痛むことがありません。
クチナシ
クチナシはアカネ科クチナシ属の庭木です。
暑さには強いですが、極度の乾燥は葉の色を損なってしまうので、半日陰の環境が向いています。
さまざまな植物の背景にぴったりで、生け垣としても利用可能です。
花は良い香りがします。
ヒューケラ
ヒューケラはユキノシタ科の植物です。
葉が重なるように密に茂り、コンパクトな姿をしているため、カラーリーフプランツとして寄せ植えなどに使いやすいです。
花は美しいものも多く、赤やピンク、白の小さな花が群れて咲き、花壇をにぎやかに彩ります。
フウチソウ
フウチソウはイネ科の植物です。
多数の茎が株立ちになって垂れ下がり、長さ15㎝前後の細長い葉を数枚つけます。
冬は全体に黄色く変化した後、地上部は茶色く枯れて越冬します。
暗い日陰に配置するのがおすすめの植物
暗い日陰は日光がほとんど入らないため、花を咲かせる植物にはあまり適していません。
しかし、暗い日陰に適した植物には、ヤブランやツワブキなど、小さいながら綺麗な花を咲かせる植物もあります。
日が当たらない暗い日陰に適した植物を5つ見ていきましょう。
ギボウシ
ギボウシはキジカクシ科の多年草です。
葉は根元にまとまってつきます。
葉の表面の質感は種類によって様々で、光沢のあるものや、艶消しのもの、白粉を帯びるものなどがあります。
存在感のある日陰向きの植物ですが、冬は地上部が枯れてしまいます。
タマリュウ
タマリュウはユリ科の常緑多年草です。
土を選ばず、手入れもほとんど必要ありません。
日陰でも丈夫に育ち、開花後には鮮やかな青い実をつけます。
ヤブラン
ヤブランはキジカクシ科の常緑性多年草です。
ほぼ一年中同じ姿を保ち、丈夫で手のかからない植物です。
8月から10月には長い帆を伸ばして、青紫から白色の花を咲かせます。
ツワブキ
ツワブキはキク科の多年草です。
葉は円形で直径20cm前後あります。
葉の表面にはハリやツヤがあり、地味な植物ながら存在感を放ちます。。
花は10~12月に開花し、キクに似た直径3cm程度の可愛らしい黄色い花を咲かせるのが特徴です。
グランドカバーに向いた植物として人気です。
アオキ
アオキはアオキ科の庭木です。
常緑性で耐寒性が強いため、寒い地域では冬を彩る貴重な樹木とされています。
花は咲くものの目立たないため、鑑賞の対象は赤い実と光沢のある大きな葉です。
直射日光が当たらない場所でもよく育つため、暗い日陰に低木を植えたい方におすすめです。
日陰で植物を育てるポイント
日陰で育つ植物を選択しても、間違った方法や環境で育ててしまうと、植物はすこやかに生育することができません。
日陰で植物を育てる際に以下の3つのポイントに注意しましょう。
ポイント1:風通しの良い環境にする
日陰は日向よりも湿度が高くなりやすい場所です。
そのため、風通しが良くなるように工夫する必要があります。
植木鉢の場合は鉢と鉢の間を空けて、鉢下にもレンガやプランタースタンドを置くと風の通り道ができるため、湿気が逃げやすくなります。
地植えの場合には、植物同士を密着させないように植えこむことで、湿気が溜まるのを防ぐことができます。
ポイント2:水をあげすぎない
日が当たらない場所は土が乾きにくいため、土が湿っている時は水やりをせず、土が乾くまで待ちましょう。
水のやりすぎは根や株が成長せず、根腐れの原因にもなります。、
ポイント3:明るい色を選ぶ
植物を明るい色にすると、明るい雰囲気になります。
白や薄い黄色など、明度の高い色の花や葉をつける植物を選ぶと、暗い環境によく映えます。
日陰で植物を育てるのが難しそうな時には?
品種を選べば日陰でも植物を育てることは可能です。
しかし、植物も生き物である以上、ある程度のお世話が必要になります。
もし日陰で植物を育てるのが難しいと感じる場合には、庭の人工芝化などを検討してみましょう。
植物がなくても庭を緑々しく彩ることができます。
日陰で植物を無理やり育てるよりも、人工芝の方が色鮮やかで綺麗にお庭を彩れる可能性があるので、ぜひ選択肢の一つとして検討してみましょう。
日陰でも植物を楽しもう!
日陰でも育つ植物を、配置場所と共にご紹介しました。
日陰に強い植物を植えれば、日陰の花壇でも植物を育てることができます。
「ガーデニングをしたいけど日陰が原因で諦めていた」という方も、今回ご紹介した植物なら丈夫に育ってくれます。
お庭に合わせた植物を選んで、ガーデニングを楽しみましょう。
投稿者プロフィール
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株式会社ワイズ・ヴェルデの代表取締役。
コンクリートの品質管理会社で技術者として働いた後、同社の新規事業である人工芝事業の責任者となる。
その後、人工芝の魅力を広めるため、2014年にワイズ・ヴェルデを設立。
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