天然芝は安い、人工芝は高いと言われますが、ランニングコストまで考えたことはあるでしょうか。
将来の維持にかかる費用は一体どちらの方が高いのか、10年間をシミュレーションしてみました。
費用面で天然芝と人工芝で迷っているなら、ぜひ参考にしてください。
まずは、天然芝の手入れについてまとめました。
基本的に芝が青くなりだした春と秋は、様子を見ながら2〜3日に1度水やりをします。
芝の表面が湿っているだけでなく、そこの土まで染み込むようにしっかりと水をやりましょう。
夏場は毎日水やりをします。
冬は休眠期になるので、常緑種以外は水やりの必要はありません。
芝刈りは綺麗な芝生を維持するために大切な作業です。
春から夏にかけて、1ヵ月に1〜2回ほどの手入れが目安です。
夏は伸びるのが早いので、伸びてきたなと思った時が刈り時です。
芝の長さの3分の1程度を目安として刈っていきます。
これよりも短くしてしまうと伸びにくくなり、見た目も悪くなってしまうので注意です。
芝生の除草は手で行うことが基本です。
除草剤を使うという手もありますが、芝生の上でお子さんやペットが遊ぶことを考えると、避けた方が良いですね。
また、芝刈り機で雑草も一緒に刈ってしまおうとお考えの方もいらっしゃると思いますが、芝刈り機は芝を刈る事を目的に作られているので、硬い雑草を刈ると刃がすぐに傷んでしまいます。
芝刈り機に長い雑草が絡まってしまうこともあり危険ですので、雑草を芝刈り機で無理やり刈るのはやめましょう。
春から秋にかけて、芝生に肥料をやる事でイキイキした芝生を作ることができます。
芝生の育成でとくに必要とする栄養素は、チッソ、リンサン、カリウムの3要素です。
肥料は液体タイプと粒状タイプの2種類があります。
液体タイプは既に水に溶けているため、素早く土壌に浸透し、即効性が高いのが特徴。
しかし2~3週間ほども比較的短い期間しか効果が持続しません。
粒状タイプはゆっくり長く効くのが特徴で、1~2ヶ月ほど持続します。
暖地型芝生は隔月で肥料を与えるので、3月に与えたら5、7,9、11月に与えます。
寒地型芝生は毎月肥料を与え、秋が生長期にあたるので9月から11月を多めに施しましょう。
反対に夏の高温に弱いため、梅雨後の施肥は中止、もしくは少量にします。
エアレーションとは、踏圧によって硬くなった土壌に穴を開け、空気を送り込むことです。
古い根を切って根の伸長を促します。
春と秋に行うのが適期で、お庭の状態に合わせて年1~3回程度行います。
天然芝は品種によって大まかな金額は異なりますが、芝張りの費用は1㎡あたり2,000~7,000円です。
たとえば、20㎡のお庭に敷くとすれば40,000~140,000円かかることになります。
初期費用はこのぐらいで、次に年間にかかる費用を計算したいと思います。
芝刈りをするために芝刈り機を購入するとして、10,000円。
芝刈り機の寿命が5年だとして一回買い替えることとします。
肥料は1㎡あたり20~50gが目安なので20㎡に撒くのには400~1,000gです。
2kg1,000円の肥料を使うとして、隔月に撒くとなると年間3袋必要になるので、肥料代は年間3,000円程度。
エアレーション工具が10,000円だとして、これも5年に一回買い替えます。
10年間にかかったコストは、初期費用(140,000円)+芝刈り機(20,000円)+肥料代(30,000円)+エアレーション工具(20,000円)=210,000円でした。
意外と少ない結果になりましたが、ここには人件費を記していません。
完全に自分でやる場合の結果です。
もし外注するとなると、芝刈り1,000~2,000円、エアレーション2,000円~3,000円なので、年間芝刈りに36,000円、エアレーションに9,000円、合わせて年間45,000円程度かかります。
10年だと450,000円ですね。
ここに先程の価格を合わせると10年間で660,000円もかかってしまいます。
人工芝の手入れはほとんどありません。
たまにデッキブラシで芝を立てて上げることや、ホウキでゴミを取り除くだけでOKです。
天然芝と同じく20㎡に人工芝を敷くこととします。
人工芝の相場は1㎡あたり2,000円~4,500円。
施工業者に依頼した場合、人工芝と費用と合わせて7,000円~10,000円ほどかかります。
20㎡ということで、140,000~200,000円です。
ここに手入れ用のデッキブラシ1,000円と、せっかくなのでブロワー(10,000円)を購入します。
デッキブラシとブロワーは5年で買い替えます。
合計は初期費用(200,000円)+デッキブラシ(2,000円)+ブロワー(20,000円)=222,000円でした。
人工芝と天然芝にかかるコストをそれぞれ算出してきました。
天然芝は維持するための労力が必要になってきてしまい、自分で出来ずに外注してしまうとかなりの人件費がかかることがわかっていただけるかと思います。
一方で、人工芝は本当に維持するための手入れがほとんど必要ないので、労力を含めるとコストは低いのが最大のメリットです。
天然の芝生を維持するのは本当に大変な労力と人件費がかかります。
自分ですべてできるのなら人工芝よりも安く済みますが、できないなら人工芝の方が安く済みます。
将来の10年間、自分はどちらを選ぶべきなのかよく考えましょう。