人工芝を設置するには、下地が必要です。
しかし、専門店などには下地となる砂について多くの種類があり、素人目で適した素材を見極めることは困難です。
そこで今回は、下地として販売されている各種素材の特徴やメリット・デメリットを解説します。
山砂とは、火山の噴火活動などから飛び出てきた岩石などが、細かくなった状態で山に残ったものです。
小さな粒度のもの、大きなものまで大きさはさまざまです。
山砂の販売については、こうしたサイズ感は統一されずに扱われます。
山砂の産地としては、群馬県桐生地方の「桐生砂」、富士山の裾野に残る「富士砂」が挙げられます。
山砂は、下記の川砂と比較すると「水持ち」「肥料持ち」が長いことがメリットです。
また、排水性、保水性の面にも優れ、柔らかい土の上に設置する人工芝の下地としても優秀です。
このため「庭の施工」「ガーデニング」「園芸」といった用途での利用も目立ちます。
また、庭自体に凹凸があって困っている場合は、山砂であればフィットし、平らな状態に保てる可能性があります。
山砂は水を吸収するため、雑草が生えてくることがあります。
このため人工芝の下地に山砂を使いたい場合、事前に防草シートも購入し、同時にかぶせて施工する必要があります。
防草シートはカッターでの長さ調整、ピン固定など加工が必要であるため、こうした手間を確保する時間がない方にとってはデメリットであるといえるのです。
川砂とは、川から採取される灰色の砂で、サイズは0.25~2mmという細かさです。
産地となる場所は、川の底だけでなく、すでに河川敷に堆積していることもあります。
川砂とはもともと「花崗岩(かこうがん)」という岩石です。
花崗岩が水に浸されて粘土質が剥がれ落ち、細かくなり角張りが取れると、川砂になります。
川砂のメリットとは、水はけの面です。
川砂は水はけがよい土壌を形成可能であり、人工芝を造る上では水はけがよい点が重宝されます。
他にも、「園芸」や「芝生の目土」「砂場」「水槽」といった用途にも川砂が採用されがちです。
水はけが良い一方で、川砂は「固めづらい」という特徴があります。
このため地盤をしっかり固定したい場合は、川砂の利用を避けるべきです。
再生砂とは、解体工事の現場にあるレンガ、アスファルト、石、コンクリートなどを再利用している砂です。
再生砂は、水はけがよく、固まりやすい特徴を持っています。
このため、人工芝の下地として利用しやすいというメリットがあります。
再生砂は主に工事現場など専門的な現場を経由して産出されるため、入手が難しいことがあります。
このため、再生砂が欲しいと思い、ホームセンターに行っても必ず手に入るかどうかはわからない部分がデメリットであるといえます。
砕石とは、人工的な砂です。
砕石の造り方は、大きな石を外的要因により砕くというものです。
砂利は、自然の中で形成されます。
砕石は大きさが均一ではないため、他の砕石と合わさるとお互いに噛み合います。
噛み合うことで地盤が締まりやすいことがメリットです。
人工芝の下地に砕石を使った場合は、透水性が高いこともメリットの一つとなります。
また、でこぼこしづらいことも特徴です。
砕石は、大きな石が砕かれて造られるという理由により、大きさにばらつきがあります。
鋭利な角があるタイプの石を使うと怪我してしまうこともあるため、気をつけてください。
また、砕石の規格にも注意しましょう。
DIYで利用しやすいタイプの「0-40」という規格以外を買ってしまうと持て余してしまうことがあります。
購入する際は「0-40」規格という、細かい砂~40mmサイズの砕石が含まれるものを選びましょう。
砂利とは、自然に形成される砂です。
川の上流などには大きな石、岩があります。
こうした巨大な岩石は、水流などに巻き込まれると砕かれて小石になります。
小石がさらに長い年月をかけ、角が削れたり丸くなると、砂利になります。
砂利が適している作業とはガーデニングです。
サイズはお庭での作業に適した、2~5cmといったものです。
水はけが良いため、人工芝の下地にするためには別途砂をまいた上で「目潰し」をするという一手間が必要です。
土のように水を含んで凹凸が激しくなることもなく、カビ・雑菌の繁殖がないこともメリットです。
用途として他に、コンクリートやアスファルトの施工時に混ぜて利用されることがあります。
砂利を人工芝の下地として、直接その上に設置することはあまり行うべきではありません。
その理由は、下地となった砂利が大きさの違いからでこぼこしがちであるためです。
場合によっては、芝の部分まで表出し、芝がめくれやすくなってしまうこともあります。
砂利はあくまで「水はけ特化型」です。
人工芝の下地に、水はけのよい環境がどうしても必要になったときに初めて採用するものと認識しておくべきであるといえます。
メリット部分で挙げた、砂をかぶせたりして凸凹をなくすといった対策をしてから、砂利を利用してみることがおすすめです。
真砂土(まさつち)とは花崗岩が風化して、変化したものです。
岩から、土の状態になった状態です。
真砂(まさご)と呼ばれることもあります。
花崗岩の風化が「砂の状態」になったものを真砂、「土の状態」になったものを真砂土と呼ぶこともあります。
真砂土のメリットは、手を出しやすい価格であることです。
一般の家庭でも、園芸用に購入されています。
一方、宅地を造成する際・建設工事の現場でも基礎部分の利用が多くなります。
真砂土は、高密度に合わさります。
このため真砂土を使用した下地は固まりやすく、水はけが悪くなります。
水はけが悪い真砂土を下地として使った場合、人工芝の表面に水を溢れさせてしまう可能性があり、下地に向いていないのです。
コンクリートとは、骨材が固まったものです。
骨剤を固めるには、セメント・アスファルトといった「結合材」を用います。
結合材で固めると、コンクリートが生成されます。
コンクリートは強度があり、あらゆる施工に向いています。
手頃な価格帯で販売されているのも特徴です。
手頃なため、多くの建築物で利用されます。
コンクリートは、人工芝の下地として活用できる可能性があります。
理由として、すでにコンクリートが敷かれている場所に人工芝を設置するということは、すでに下地がある状態なので、手間が省けることがまず挙げられます。
コンクリートの下地であれば雑草が生える心配もありません。
このため防草シート周りのDIYが必要ありません。
設置するものが人工芝であることも手伝い、下地が土であるよりも設置が簡単です。
人工芝をコンクリートの上に設置する場合は、「人工芝用の両面テープ」など専用の接着剤で固定する必要があります。
人工芝を設置する際は忘れずに用意しましょう。
人工芝の下地としてコンクリートを使う場合、石材などの専門家でないとコンクリート上の人工芝の設置が難しいことがあります。
コンクリート上に人工芝を敷き詰める作業は、未経験者が行うと、多くの場合でこぼこになってしまいます。
設置がうまく行かないと、水はけが悪くなってしまったり、見た目の悪さに直結してしまうのです。
また水はけも、水の流れる先に気を配っておかなければいつまでも地面が濡れたままとなってしまい、危険なことがあります。
人工芝の設置にあたっては「水がきちんと流れて消えていく状態」を確保し、コンクリートを下地として使ってみてください。
人工芝の下地として適している素材は、山砂、川砂、砕石などがあります。
水はけ問題などをクリアすればコンクリートも適した素材です。
以下に、それぞれの素材の使い方や特徴についてをまとめます。
山砂 | 排水力が高く、保水効果も。柔らかい土の表面に設置することで硬化を発揮、施工費が安め。 |
川砂 | 人工芝の下地を庭などに作る場合、DIY作業に慣れている方にとって利用しやすい、水はけがよい。 |
砕石 | 大きさにばらつきがあり、組み合わさりやすいが間を細かい砂で埋める必要がある、こうした条件をクリアすれば頑丈な下地になる。 |
コンクリート | 水の排出、専門性が求められる設置といった条件がクリアできれば雑草が生えない下地が造れる。 |
人工芝の下地に向いている素材を使用しても水はけが悪い場合は以下の記事を参考にしてみてください。
今回は、人工芝の下地に使われる素材それぞれの性質や、人工芝の下地として実際に利用した場合、どんなメリット・デメリットがあるのかついて解説しました。
ホームセンターなどでは多くの素材が販売されているため、いきなり素材を買いに行こうとすると混乱しがちです。
人工芝の下地に向く素材は確固として存在します。
人工芝の下地に向いている素材とは「山砂」「川砂」「砕石」そして水はけ問題や設置の難易度をクリアできるのであれば「コンクリート」です。
こうした人工芝を設置する際に下地として適した素材それぞれにおいても、お庭の使用状況といったケースにより、本当に各素材が適しているかどうかは異なります。
土の上に人工芝を設置するか、元がコンクリートであるかといった状況により適した素材が変わるため、自身の庭がどういった状況なのかを見極め、入念な下地選びを行ってください。