人工芝は使用しているうちに、だんだんと新品の時の鮮やかな緑色が損なわれていきます。
経年劣化による色褪せです。
しかし、どうして時間が経ってしまうと人工芝の色は褪せてきてしまうのでしょうか。
今回は人工芝が経年劣化によって色褪せする原因についてご紹介します。
人工芝の色褪せとは、元の鮮やかな緑に比べて、白っぽく色が抜けている状態のことを言います。
緑の生き生き感が無くなってしまうので、古ぼけた敷物っぽさが出てきてしまい、いかにも人工芝である事がわかってしまうのが難点。
きちんとした人工芝であれば、耐候年数程度は色褪せが起きにくいものですが、安い人工芝などでは、耐候年数を待たずに色褪せてしまうことがあります。
または、人工芝の使われ方によっても色褪せの度合いは変わってきます。
例えば、人工芝上で動き回ることが多い場合など、その部分だけ色褪せが早くなってしまうこともあるのです。
見た目が悪いとせっかくの人工芝も台無しになってしまいますね。
人工芝の色褪せの原因は紫外線によるものです。
人工芝の素材はポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンと言ったプラスチックです。
プラスチックを屋外に置いておくと、白っぽく色褪せて脆くなってしまいます。
ボロボロになった洗濯バサミなどが良い例です。
人工芝でも同じ現象が起きているのです。
また、紫外線による劣化は、環境温度が高い場合や、水分の存在下で促進されることがわかっています。
人工芝は高温になりやすいため、環境温度が高いという条件に当てはまります。
また、人工芝の施工がきちんとされておらず、水はけがあまりよくない場合には、水分の存在下という条件にも当てはまるため、より劣化しやすくなってしまうのです。
太陽からの日射は、波長によって赤外線、可視光線、紫外線に分けられます。
可視光線よりも波長が短いものが紫外線です。
紫外線は目には見えないですが、太陽光の一部であり、基本的な性質は可視光線と同じです。
季節や時刻、天候などによって紫外線の絶対量や日射量に占める割合は変化しますが、可視光線と同じように、建物や衣類などでその大部分が遮断されます。
一方、日中は日陰でも明るいように、大気中での散乱も相当に大きいことがわかっています。
そのため、屋内の人工芝はほとんど紫外線の影響が出ない一方で、屋外の人工芝は日陰であっても紫外線の影響を受けて色褪せる、という現象が起きてしまうのです。
人工芝の色褪せの最大原因は紫外線ですが、摩耗も色褪せに繋がります。
例えば、人工芝の上で激しい運動をしたりすると、人工芝がこすれて劣化してしまいます。
家庭用人工芝はスポーツ用の人工芝に比べて丈夫には出来ていません。
芝生の上で遊べるというのは人工芝のメリットではありますが、あまり激しく走ったりすることは、長持ちさせるという面ではおすすめできません。
もし本格的にスポーツをしたい、ということでしたら、最初にスポーツタイプの人工芝を選んだり、珪砂を入れて丈夫にしたりすると良いでしょう。
紫外線の散乱によって、日陰でも色褪せが起きてしまうので、完全に色褪せを防ぎたいならUVシートなどを敷くしかありません。
しかし、それではせっかく人工芝を敷いた庭を堪能できないので非現実的と言えます。
残念なことに、経年劣化による人工芝の色褪せは防ぐことができません。
人工芝の寿命は7~10年と言われています。
耐候年数までは色褪せは目立ちにくいですが、過ぎてしまうと人工芝を交換する目安となります。
綺麗な庭を維持したい場合には、人工芝の敷き直しを検討しましょう。
人工芝が経年劣化で色褪せする原因をご紹介してきました。
人工芝の中にはUVカット加工が施されている商品もあります。
そうしたものは色褪せが緩やかになるので、色褪せを少しでも減らしたいなら、UVカット加工の人工芝を選ぶのも一つの手です。
しかし、完全に紫外線による色褪せを防ぐことはできないので、どうしても気になるという段階になったら敷き直しをしましょう。